無気力な高瀬くんの本気の愛が重すぎる。
うそ、ちゃんと取りにきたんだ?
気が利くじゃん。
「上条がきてくれてちょうどよかった。これ、教室まで頼むわ」
そう言って先生が散らかり放題の机の上のプリントの束を指す。
「こ、これ全部わたしがひとりでですか?」
「いや、全部はさすがにな。半分くらいでいいぞ。二回にわけてもいいし」
って、結局それ全部運べって言ってるじゃん。
職員室は教室からちょっと遠いから、往復なんてしてたら予鈴が鳴りそう。
なんとか一度で運べないかな。
「ぐぬぬっ……」
「お、ちっこいのに力持ちだな」
「せ、先生ドア開けて」
「おう、わかった。すまんな、手伝ってやれたらよかったんだが。ま、適当にそのへんのヤツつかまえて手伝ってもらえ」
そのへんのヤツって。
先生めちゃくちゃいい加減だよ。
両腕に乗ったプリントの重圧で腕がすでにもげそう。
こんなんだったら日誌取りにきて高瀬にプリント頼めばよかった。
うぬぬ。
「はぁはぁ」
歩いているのに重い物を持ってるだけで息が切れる。