無気力な高瀬くんの本気の愛が重すぎる。

中学のときにも何人か彼氏がいたみたいで、わたしが知らない未知の世界をたくさん知ってる。

「失恋したときって、どうやって忘れるのが一番だと思う?」

そんな美保に思わず投げかけた言葉。

「失恋? なに、環って失恋したの?」

「ち、ちがうちがう! 友達がねっ! 最近彼氏と別れたみたいで!」

「へぇ、お友達が、ね?」

「そ、そうそう!」

経験豊富な美保からのアドバイスがほしくて、苦し紛れの言い訳をする。

「どうやったら忘れられるのかな?」

「ん〜……ま、あたしの場合はとにかく泣いたね。泣いて泣いて泣いて、涙全部出し切るまで泣く。泣いたあとは適当に色んな男の子と遊んだりしたかな」

「えっ? なにその投げやりな感じは!」

「投げやりじゃないよ〜! そういうときって人の優しさとか温もりに触れたくなるもんなの。今の彼氏とも遊んでるうちに好きになって付き合ったし」

あ、遊ぶって……。

具体的に聞いてもいいもん?

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