無気力な高瀬くんの本気の愛が重すぎる。

返ってくる答えにビクビクするけど。

「あれだよ? 遊ぶっていっても、カラオケ行ったりボーリング行ったりカフェでお茶したり。さすがにふたりきりで遊んだりすることはあんまりなかったけど、何人かいいなと思った人とだけは、ね」

ホッ。

なんだ、そうなんだ。

「大勢で遊んだりするのも気が紛れていいもんだよ。またの名を合コンとも言う」

「ご、合コン……!」

「行ったことないの?」

「ないない。だってわたし、今までそういうの誘われたことないから」

「へぇ、じゃあ行ってみれば? そこで運命の人に出会っちゃうかもしれないよ? あたしみたいにね!」

「む、無理だよ!」

「え〜、環の話じゃなくてお友達の話でしょ?」

美保にクスクス笑われて、うっと言葉に詰まった。

「そ、そうだけど、合コンに行くようなタイプの子じゃないんだって」

「出会いを求めずに、ただ楽しむ場として行くのも全然ありだよ? むしろみんな、本気の出会いとか合コンに求めてないもん」

楽しむ、だけ……。

そんなお気軽に行ける気がしない。

「あとは時間が解決してくれるよ」

「時間、ね」

いつか、ほんとに忘れられるのかな。

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