無気力な高瀬くんの本気の愛が重すぎる。
「はぁ……」
気力もやる気もゼロ。
あの日から自分でも大げさだと思うくらい落ち込んでいる。
机に頬を当てて、力なくダラッと座る。
すると高瀬がわたしの前の椅子を引いて座った。
「どうしたの? 朝からフニャフニャだね」
「うん、ほっといて」
「ほっとけないよ。なんかあった?」
そう言いながらスマホ片手に高瀬が顔を覗き込んでくる。
朝からきめの整った健康的なつるつる肌が羨ましい。
眩しい笑顔が憎たらしい。
「なんでも、ない……」
西河と穂波のイチャイチャ話に落ち込んでるなんて、言えない。
言っても高瀬には共感してもらえないだろうし。
「苦しそうな顔してるね。どうしたら笑ってくれる?」
「そっとしといて」
「そっと……わかった」
わかってくれた?
ほんとに?
恐る恐る顔を上げてみると、言葉通り高瀬はスマホゲームに集中している。
放っておいてくれるなら、こんなにありがたいことはない。
「上条さん、おはよう」
「権田くんか。おはよう」
「どうしたの? ヘニャッとして」
「うん、まぁ、ちょっとね」
「あのさ、上条さんにお願いがあるんだけど」