無気力な高瀬くんの本気の愛が重すぎる。
お願い……?
なんだろう?
かしこまった様子の権田くんを見て、わたしは上体を起こした。
「どうしたの?」
「実はさ、サッカー部のヤツがこの前バイトしてる上条さんを見て」
──ガタッ
「ちょ、権田くん。こっちきて」
権田くんの腕を引いて廊下に出た。
「バイトのことはあまり公にしてほしくないの」
「あ、ごめんごめん。気をつける。話の続きだけどさ、上条さんのことを気に入ったみたいなんだよね」
「ん?」
まったく話が読めない。
「ファミレスで一番文句言ってたヤツの顔、覚えてる? そいつがね、上条さんを気に入ったみたい」
「へっ……?」
「オーダーミスして申し訳なさそうに謝る上条さんが、謙虚でかわいかったらしいよ」
意味がわからない。
失敗して謝る姿がかわいかったって、なんだろう。
わたしとしては必死だったし、好かれる要素なんてないんだけど。
「今度一緒に遊ばない? 合コンしようよ、上条さんの友達も誘ってさ」
「合コン……?」
引きつるわたしの顔を見た権田くんにポンと肩を叩かれた。
「ま、そんな深く考えないで、軽く捉えてよ。それとも好きなヤツとか、彼氏とかいるの?」
好きな、ヤツ……。
小さく左右に首を振る。