無気力な高瀬くんの本気の愛が重すぎる。

学校指定のものじゃないグレーのパーカー。やる気のなさそうなフニャッとした横顔。

それなのに、そんな姿さえも神がかってる。

「ゲーム……楽しい?」

「え? うん、まぁ。息抜きだよ」

息抜き……。

そっか、学年トップにもいろいろあるのかも。

そもそも、なんでこんなところでゲームしてんの?

「今日はね、俺も一応図書委員だから顔出しとくかーみたいな」

心を読み取られたのかと錯覚するような絶妙な返事に、ドキリとした。

知ってたんだ?

自分が図書委員だってこと。

委員会の集まりにもこなかったから、知らないのかと思ってた。

きてくれたんだ?

もっぱら仕事なんてやる気なさそうだけど……。

ゆるゆるな高瀬くんだもんね。

うん、納得。

「仕事ならわたしがひとりでやっておくから、帰っていいよ?」

「んー、帰るのもまた面倒なんだよね。座っちゃったら、動くのが大変で」

いったい、どれだけ面倒くさがりなの。

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