無気力な高瀬くんの本気の愛が重すぎる。
「甘いもの食べたら癒やされるって言ってたよね? だからアメかなって」
もしかして、心配してくれてる?
そうか。
意外と優しいんだ、高瀬って。
「……ありがと」
口の中でアメを転がしながら、そっと口角を持ち上げた。
すると、高瀬の顔がみるみる真っ赤になっていく。
暑いのかな?
「やばい……」
え?
やばい?
「落ち込んでるときは俺に言ってね。ね?」
高瀬は妙に張り切りながら強い口調でわたしに言った。
「笑顔を見せていいのは、俺にだけだからね?」
ね?と何度もゴリ押しされて、困惑する。
こんなに強引で独占欲が強い高瀬を、わたしは知らない。
惑わされたくないのに流されてる。
それも悪くないかななんて思えるのは、高瀬のゆるさのせい。