無気力な高瀬くんの本気の愛が重すぎる。
届ける本音
放課後になって、穂波のランチバッグを抱えたまま昇降口付近をウロウロしていた。
明日も学校があるし、なかったら困るよね。
だけど……どうしよう。
「よう」
ポンと肩を叩かれて、ビクッと肩を震わせる。
とっさに持ってたランチバッグを落とした。
スポーツバッグを肩にかけた西河が、そんなわたしを見て盛大に噴き出す。
「キョドりすぎな」
「ご、ごめんっ!」
「いや、いいけど。これ、落ちたぞ」
「あ……」
西河が拾ってくれたランチバッグは穂波のもの。
「上条?」
なかなか受け取らないわたしに西河は不思議そうな顔をする。
「それ穂波のなんだ。返しててくれる?」
「え? あ、そういえば見たことある柄だな。どうして上条が穂波のを?」
「まぁ、いろいろありまして……」
西河の目を見ていられなくなって、とっさにうつむく。
変に思われたかもしれない。
「もしかして穂波となんかあった? 昼休みが終わったあとぐらいから、様子がおかしいんだよな」
それは、まちがいなくわたしのせいだ。
その理由を西河に言えるわけはないけれど。
「落ち込んでるみたいだったよ、あいつ。だからこれは、上条から返してやって? 俺、これから部活なんだ」