忘れかけていた彼

「あ!優ちゃーん!!」

「和樹くん!」

「来てくれてありがとう!えっとー、その子は……?」

「あ!変わりに来てくれた……」

「花原莉乃です」

「莉乃ちゃんか!ごめんね、急だったのに来てくれて!」

「いえ!大丈夫です……」

「こいつは俺の友達の亮(りょう)」

「よろしく〜!」

「よろしくお願いします」

「莉乃ちゃんそんなかしこまらなくていいし、タメ口で話そう!」

「あ、は……ありがとう!」

「うん!!」

優が好きな人だからかわかんないけど、すごく和樹くんはいい人に見えるな〜

でも、やっぱこの雰囲気苦手
人が密集してるし、音楽の音とお酒の匂いで気分悪くなりそう……

「莉乃大丈夫?」

「うん!大丈夫だよ」

「ならいいけど、うちらもお酒とりいこ!」

「そうだね!」

せっかく優が和樹くんの為に頑張ってるんだから余計な心配させないようにしなくちゃ!

「すみません、お酒貰っていいですか?」

「はい、お選びください」

「じゃあこれで!どうする?」

「私は…」

や、やばい、お酒の種類多すぎて全然分かんない…

「一緒のでいいです!」

「…あ、はい」

一緒のにしとけば飲めなくても優にあげればいいよね。

「ねぇねぇ、バーテンダーの人かっこよくない?」

「え?」

「めっちゃイケメンなんだけど」

「あーそう言われてみれば、かっこいいかも」

「でしょでしょ!」

『シャカシャカ…カランッ』

「どうぞ」

「ありがとうございます」

「あの!彼女さんいるんですか?」

「ちょ、ちょっと優!」

「いや、いないですよ」

「そうなんですね!じゃあこの莉乃って子どうです?」

「え!?何言ってんの!もう行くよ!」

「莉乃…」

「え〜せっかくいい人そうだったのに…」

「優は急すぎるんだよ!あの人も困ってたし」

名前……
気のせいだよね、会ったことないし

「莉乃?どしたの?」

「ううん!なんでもない!早く戻ろ!」

「和樹くんが待ってる♥」

「はいはい」



「優ちゃん達遅かったね!」

「お酒何にするか迷っちゃってて!ね、りーの♥」

「そうだね笑」

さっきの事はさすがに和樹くんには言えないよね



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