メーティスとホームズの子孫
「ホームズさん？どうされましたか？」

「あのエメラルドは偽物だな。いや、ここにある宝石のほとんどが偽物だ」

一瞬でシャーロックは宝石が偽物だと見抜き、その観察力に和香だけでなく透たちも驚いていた。



透はパーティーというものに参加したことなどなく、華やかすぎる光景に緊張しながらも初めてのことに胸をわくわくさせている。しかし、隣を見れば玲奈は複雑そうな表情だ。

「玲奈、どうしたんだよ」

透が訊ねると、「謎解きがあるから来たものの、やっぱりこの空気には慣れない」と玲奈は呟く。そんな表情でさえ人々を惹きつけるため、透は玲奈を隠すようにして立つ。

「とりあえず、メアリが出てくるまで待とうぜ。普段なら手も出せないような料理まで並んでいるし」

「そう。例えば？」

「フォアグラとか」

「あんた、フォアグラがどんな風にできるか知っているの？」

退屈そうだった玲奈の目が輝く。透は嫌な予感がしたが、玲奈の口は恐ろしい言葉を並べ始めた。
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