メーティスとホームズの子孫

男性たちの話していることが本当なのか、透は気になってしまった。もし体調が悪いのならば一大事だ。

「もし、あの人たちの話が本当だとしたら……」

透がそう呟くと、美咲も真剣な表情になる。

「メアリさんが感染力のある病気だった場合、ここにいる全員が危険だね」

事実かどうか透たちが確認しようとした刹那、「メアリさんのご入場です！！」という声が響いた。途端に会場に拍手が沸き起こる。

透がふと斜め前を見ると、和香とジョンは目を輝かせていて、シャーロックは鋭く目を光らせていた。玲奈を見れば玲奈も同じような目をしている。

「似たもの同士？変人だし……」

透がそうひとり言を言っているとメアリが姿を見せた。ダイヤモンドのネックレスをつけ、髪にも派手な髪飾りをつけている。ドレスもこの会場にいる誰よりも豪華なものだった。

「皆さん、本日はお越しいただきありがとうございます。最後までどうぞお楽しみください」