(短編)初恋オムライス
隣の席に座っていた浅野君が心配そうに口を開いた。


「あ、はい」


「オムライス、美味しくない?」


「そんなことないです」


「そっか、良かった。さっきは凄くうまそうに笑って食べてたからさ」


彼の優しい眼差しを近くで感じて焦った。


「ええっ、私、食べながら笑ってました?」


「うん、笑ってた。可愛かったな」


「ふぇ?」


驚いて、間抜けな声がでてしまう。


今、私のことを可愛いって言ったのかな?そんな。恥ずかしい。


違うか、食べてる姿が可愛いって意味?
どっちにしても、恥ずかしいよー。


カアッと顔が熱くなっていくから困った。きっと顔が真っ赤になっていそう。


「え、あれ?ごめん。俺へんなこと言ったかな?」


目をそらした私に、彼は慌てて声をかけてくる。

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