（短編）初恋オムライス
「もうー日向ったら。大石さん気にしないでね。この人、天然のたらしだから」


その時、浅野くんの前の席にいたミナさんが話しかけてきた。


ミナさんは、浅野くんとは同じ高校らしくて、2人はいつも仲がいい。付き合ってるんじゃないかって噂だってある。


さらさらストレートのブラウンの髪に透けるような白い肌、彼女はとても大人っぽい雰囲気の美人さんだ。


「そうそう、うっかり惚れちゃったら怪我するよ」


ミナさんの隣にいた女の子もそんなことを言う。


「モテるくせに、本人は全然自覚がないから厄介なんだよね」


ミナさんの言うことに他のみんなも、あははって笑いだす。


浅野くんは、決まり悪そうに頭の後ろをかいている。


その顔は何だか照れているみたいで一瞬可愛いと思ってしまったほど。
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