(短編)初恋オムライス
そうか。もう11月だし。高校3年生の彼は受験の準備で忙しくなるんだ。


「フロアスタッフのみんなには挨拶してきたんだけど、くるみちゃんにもちゃんと伝えておきたくて」


「だから、わざわざ待っててくれたんだね」


「うん」


「寒いのにごめんなさい。外で待っててくれてたなんて知らなくて」


「いや、俺が勝手に待ってただけだから」


そうか、じゃあしばらく会えなくなるんだ。
受験が終わる日まで、彼はバイトには来ないってことを聞いて、なぜたろう、気持ちが沈んでしまいそう。


「わざわざありがとう。あの受験頑張ってください」


これから何か月も会えなくなるんだな。


「ありがとう。あとそれと、くるみちゃんにもう一つ話が」


「私に?」


ゆっくりと歩いていたけど、もう駅に着いてしまった。
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