(短編)初恋オムライス
「早く行って。乗り遅れるよ」
「うん。じゃバイバイ」
「またね、くるみちゃん」
彼は優しく微笑してくれたけど、ほんの少し寂しそうに見えた。
それは私のほうだって同じ。
これが永遠の別れってわけじゃない、そんなのわかってるけど。
だけど、なにかまだ彼に伝えたくて口を開いていた。
「あっくん、待ってるね」
「えっ?」
彼が一瞬目を見開いてからじっと私を見つめたから、あせった。
「あ、えっと、みんなで待ってるから。みんな、あっくんがいないと寂しいと思うんだ。だから」
「うん」
早口で言い訳みたいなことをまくしたてたら、彼はちょっとびっくりしているみたい。
私ったら何を言うつもりでいたんだろう。あっくんだってきっと変に思ったよね。
「じゃあねっ」
後ろ髪を引かれるような切ない気持ちになったけれど、私はもう振り返らずに電車のホームへと急いだ。
彼の話ってなんだったんだろう。
電車に揺られながらそのことばかり考えていた。
彼のことばかり、考えていた。
「うん。じゃバイバイ」
「またね、くるみちゃん」
彼は優しく微笑してくれたけど、ほんの少し寂しそうに見えた。
それは私のほうだって同じ。
これが永遠の別れってわけじゃない、そんなのわかってるけど。
だけど、なにかまだ彼に伝えたくて口を開いていた。
「あっくん、待ってるね」
「えっ?」
彼が一瞬目を見開いてからじっと私を見つめたから、あせった。
「あ、えっと、みんなで待ってるから。みんな、あっくんがいないと寂しいと思うんだ。だから」
「うん」
早口で言い訳みたいなことをまくしたてたら、彼はちょっとびっくりしているみたい。
私ったら何を言うつもりでいたんだろう。あっくんだってきっと変に思ったよね。
「じゃあねっ」
後ろ髪を引かれるような切ない気持ちになったけれど、私はもう振り返らずに電車のホームへと急いだ。
彼の話ってなんだったんだろう。
電車に揺られながらそのことばかり考えていた。
彼のことばかり、考えていた。