(短編)初恋オムライス
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彼のいない日々のオムライス

(彼のいない日々のオムライス)


ハアッ


「あ、くるみちゃんまた、ため息だ。今日はもう何回目?」



一緒に昼食休憩をとっていたミナさんは私を見て柔らかく笑った。


「え、私ため息なんてついてました?」


日曜日のお昼、バイト先の休憩室でまかないのデミグラスソースオムライスを食べていた。


デミグラスソース大好きなのに、以前と何か違う。


不思議なんだけど、少し苦く感じてしまっていつもほどは食が進まないんだ。


どうしてなんだろう、最近ずっとこんな調子。


「自覚なしかー。くるみちゃんたらどうかしたの?」


「私、昔からすごく食いしん坊なんですよね」


「へぇ、身体はそんなに細いのにね」


「だけど、最近は食欲がなくて何を食べても以前ほど、美味しく感じられないんです」
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