(短編)初恋オムライス
正直に告げると、ミナさんは興味津々な表情をする。


「ふうん。もしかして恋でもしてる?」


「ち、違いますよ。私はだって色気より食い気ですから」


焦って否定すると、ミナさんはフフって優しく笑う。


「へえ、そうなんだ。だったら今年のクリスマスイブとか予定空いてる?」


「はい。予定なんて無いのです」


「よかった。またフロアのほうを手伝ってもらいたいんだよね」


「はいわかりました」


あれから時々、フロアの仕事を手伝っていた。あっくんがいなくなってから、人手不足がますます深刻だったから。


フロアを手伝ううちに、バイトサブリーダーのミナさんとも話せるようになってこうして2人で昼食を食べるようになっていた。

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