(短編)初恋オムライス

クリスマスに彼を思えば

(クリスマスに彼を思えば)


12月24日 クリスマスイブ。


オムライス専門レストラン YADORIGI。


今日は朝からクリスマスの飾り付けで慌ただしく、それが終われば厨房での仕込みの手伝い、それからフロアスタッフと打ち合わせ、目が回るくらいの忙しさだ。


「くるみちゃん、厨房とフロアの仕事をかけもちしなきゃいけないから大変でしょ。休憩できそうなときには体を休めるのよ」


私があんまり忙しそうにしているから、パートスタッフの橋本さんが心配してくれている。


「大丈夫です。頑張ります」


その日の私はわざとテンションを高くして、自分を奮い立たせていた。


カップルで賑わうクリスマスの雰囲気を感じるだけで、実は寂しい気持ちになってしまっている。

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