(短編)初恋オムライス
「それなのに、最近変なの。オムライスが苦いっていうかなんだか食欲もなくて、変な感じで」


私おかしな事を言ってる。だけど今この瞬間彼にどうしても伝えたいことがあった。


不器用にしか伝えられないかもしれないけど、彼ならきっと受け止めてくれるような気がしたから。


「きっとそれはあっくんのせいだと思う」


「そっか」


「私……あの……あっくんのことが、大好きです」


「俺の方が大好きだよ。本当はずっと君に会いたかった」


彼は力強くそう言って私の手を握った。


ようやく気がついた。こんな気持ち初めてだったから、わからなかったけど。


私の初恋。


お互いの存在を確かめるように見つめ合ったら、幸せが胸いっぱいに広がっていくのが分かる。

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