後輩くんはワンコ時々オオカミ

「眞子先輩、俺、熱じゃありません
強いて言うなら、眞子先輩にお熱ですけど」


「へ？」


気付いて貰う作戦を変更して
パスを出してみれば


俺の言葉の意味を未だ理解出来ないのか
腕の中の眞子先輩は無防備に顔を上げた


その間近の瞳に吸い込まれるように
視線を合わせる

僅かに揺れる眞子先輩の大きな瞳に
俺が映っていることが嬉しい


「眞子先輩？分かりましたか？」


「・・・え？」


・・・やっぱ直球しかない


「俺、眞子先輩のことが好きです」


「へ？」


「もしかしなくても、その反応は気付いて無かった感じですよね？」


「・・・・・・うん、ごめん」


「これから全力で眞子先輩を落としにかかるんで覚悟してください
“ただの”クラスメイトの飯田さんに
負けてられませんからね」

そう言って少し口元を緩めると


「・・・飯田？なんでそこで飯田なの？」


これまた気の毒なことに
それにも気付いて無かった眞子先輩に


「眞子先輩？他の男のことは考えないで？
俺のことをちゃんと考えてくださいね」


優しく言いながらも口調は少し強めにすれば


「・・・・・・うん」


未だ素直に俺に抱きしめられている眞子先輩は

少し頬を染めて頷いた


・・・ヤベェ、可愛い


ＯＫを貰うまで我慢するべきなのに
眞子先輩の表情に抑えが効かなくて


チュッ


オデコに口付けてしまった




side out