後輩くんはワンコ時々オオカミ


寝室に飛び込むとベッドにダイブした


「あ゛ーーーーーっ」


枕に顔を押し当てて小さく叫ぶ

恥ずかしい思いが駆け巡って
熱い頬は簡単に冷めてくれそうにもない

でも、ずっと此処にも居られない


諦めたようにため息を吐き出すと
クローゼットの扉を開けた








そっと扉を開けると涼太はソファに座って携帯を見ていた


「お待たせ」


私の声に顔を上げた涼太は
視線を合わせると


「眞子先輩」


名前を呼んで固まった


「・・・ん?」


なんかおかしかったかな?

自分の姿を見れば
薄いデニムのシャツワンピースに黒いスキニーを合わせただけの
可愛いとは言い難い格好で

Tシャツとジーンズ姿の涼太と
チグハグにならないようにとチョイスしたつもりだったんだけど・・・

そう思って顔を上げると
少し頬を赤くした涼太は


「眞子先輩、可愛いです」


クシャリと顔を崩して笑った


「・・・か、わいくなんてないよっ」


せっかく素に戻った頬に
また熱が集まってくるのがわかる


「眞子先輩は可愛いですよ」


茶化すようにどんどん褒めるもんだから

頭の天辺から蒸気が出そうになる程熱くなって

恥ずかしさを隠すように両手で顔を覆った


「涼太なんて、知らないっ」


こんなにドキドキさせるなんて
ワンコの癖に生意気よっ


そんな私に


ジワリ近づいた涼太は


そのままギュッと抱きしめた




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