後輩くんはワンコ時々オオカミ
ワンコに告白
「眞子先輩、俺、眞子先輩が好きです」
二回目の告白に身体が固まった
「眞子先輩は?」
そう言って首を傾げる涼太
あぁ、狡い
涼太は間違いなく
『期待しても良いですか?』の
答えを待っている
私だってこの気持ちに気づいたところなのに
口に出すのは勇気がいる
でも・・・
『待て』の状態の涼太は
やっぱりワンコにしか見えなくて
手を伸ばしたい・・・
今は“それ”に理由が付く
「あの・・・ね?」
「はい」
「私、これまで誰も好きになったことないの」
「知ってます」
「好きって気持ちがどんなのか分からなかった」
「はい」
「でもね、今日・・・秋山さんと帰って行く涼太を見ると苦しかった」
「・・・」
「秋山さんを見下ろす涼太も
涼太を見上げる秋山さんを見るのも苦しかったの」
「・・・ごめんなさい」
「謝らないで・・・
だから、その苦しさが“好き”という気持ちなら、私は涼太のことが好きなんだと思う」
「眞子先輩」
「初めての気持ちだから、自分でもちょっと戸惑ってる」
「はい」
「でも、涼太を笑顔にしてあげたいって思うの」
「・・・っ」
「涼太が笑顔だと私も嬉しい」
「もぉーーーーーーーーーーっ
眞子先輩!狡いですっ」
そう言うなり頬を膨らませた涼太
なにかマズいことを言ってしまっただろうか?