ロンド ~壮馬

「あっ。パパだ。」


インターフォンが鳴ると 玄関まで 駆け出して行く 子供達。


パパが 大好きな 二人は 壮馬の帰宅を とても喜ぶ。


「二人とも、現金ね。」


さっきまで 夏美に ベッタリだったのに 壮馬を 出迎えに走る 二人を見て 夏美は 母に言う。
 

「本当ね。あれだけ懐けば パパも 可愛いわよね。」

母も苦笑する。


子供達に 少し遅れて 夏美も 壮馬を出迎える。
 


「お帰りなさい。お疲れ様。」


夏美の 笑顔を見ると 壮馬は いつも 照れたような 眩しそうな目で 微笑む。


毎日 一緒にいるのに。

結婚して 5年も経つのに。



夏美は 壮馬の愛を感じて 優しく 微笑み返す。
 


「陽君、笑美ちゃん。お利口に していたかな。」


すっかり パパらしくなった壮馬。


二人を 両腕に 軽々と抱き上げる。
 


子供達は みんなの愛を たっぷり 受けているから 素直で 伸び伸び 育っている。



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