ロンド ~壮馬

その夜 結ばれた二人。


壮馬は 焦らずゆっくり、初めての夏美を 優しくリードしてくれた。


驚くほど スムーズな愛に、二人は 満足して微笑み合う。
 


「ナッちゃん、怖くなかった?」


一度目の愛を 交わし終えた時 壮馬は 夏美に聞いた。


「少し 怖かったけど。壮馬君 優しかったから。もう大丈夫。」

夏美は 照れた目で 壮馬を見る。
 

「ナッちゃんは 今まで 俺を 待っていたんだよ。ありがとう。」


初めての夏美は 少し 気後れしていた。


でも壮馬は そんな夏美を 喜んでくれた。


夏美は 驚いて 壮馬の顔を見る。


夕方から 堪えていた涙が 堰を切って溢れる。
 

「ううん。私こそ。壮馬君、ありがとう。」

泣きじゃくりながら、途切れ途切れに言う夏美を 壮馬は 胸で泣かせてくれた。
 

「これからは もう 一人で泣かないでね。」


壮馬が そう言った時 夏美は 声を上げて 泣いてしまった。
 
 

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