ロンド ~壮馬

「二人共、まんまと 智之の策略に はまったね。」

と伯父が言い 夏美は 壮馬の顔を見る。


壮馬も 不思議そうな顔で、
 
「どういうこと?」

と伯父に聞く。
 

「智之 ナッちゃんが 入社した時 壮馬に ぴったりだって 言っていたんだ。だから壮馬を すぐに研究室の 配属にしたんだよ。」


伯父の言葉は 意外過ぎて、壮馬と夏美は
 

「えーっ。」


と二人で 言ってしまう。
 

「俺、先見の明が あるだろう。」


父は 少し照れた顔で笑う。


 

「パパね 壮君は 絶対、ナッちゃんを 好きになるって 言っていたのよ。」



母の言葉に 驚いて 夏美は 大きく 目を見開く。
 

「だって。私のこと 何も知らないのに。どこの 馬の骨かも わからないのに。」


夏美が呟くと、
 

「一目見れば わかるよ。ナッちゃんが 良い子だっていうことは。」


父の言葉に 夏美は 絶句してしまう。
 
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