エチュード ～由希

「パパとママのこと、和君のお世話になっているから。智くんは　とっても　感謝しているのよ。由希ちゃんに　用意したお金は、貯金しておいてよ。」

と麻有子は言う。
　

「和哉とも　相談するけど。」


と母は即答をしない。



階段の上で　二人の話しを　聞いてしまった由希は　とても驚いていた。


絵里加の家族に　そこまで　思ってもらえたことが、本当に嬉しかった。
　


由希は　胸を熱くする。


ここでの生活を　絶対、無駄にしないと。



絵里加のママ程　お金持ちには　なれなくても。




自分の両親よりは、良い生活ができるように。


もっと自分を磨こう。




由希も、絵里加と同じように、特別な人だからと　強く思っていた。