響のツバサ
ミヨリは、

「おじゃましまーす。」

と言って俺の家に入ると、キッチンに立ち、勝手にお茶を淹れはじめた。

「机座って。
はい、どーぞ。」

飲み切るまでベッドで寝れない...。

「今日はやっぱりちょっと寒いから、身体があったまるように漢方茶を淹れてみたよ。」

「それ、俺が隠しておいたやつ。」

「こだわってるんだ。高いんだよ、これ。」

「それ、俺のセリフ。」

ミヨリは機嫌良さそうに、にこにこ笑っている。

微笑ましくはあるのだが...。

「はー。おいしー♪」

秘蔵茶を満喫してやがる...。

「...おかわりいい?」

「あんまり飲むと夜眠れなくなるぞ。」

「だいじょうぶ。」

「俺はそろそろ寝るから、そろそろ帰ってくれないか。」

「だーめ!
寝るまで一緒にいるよ。」

「...あぶなっかしいからやめろ。」

「だいじょーぶ。まだ未成年だし、そういうことはしないよ?」

...このやろー...。

「かえれ。
いい加減にしないと怒鳴るぞ。」

「うぅ...。」

「会うならまた明日だ。」

「風邪なら明日来れないかもしれないよ...?」

「そうならないように早めに今休むんだろ。」

「そっか...。
じゃあ、また明日ね。」

やっと帰ってくれた...。

さて、疲れたし寝よう...。

お茶のおかげで気はしっかりしてきたが、まだ身体はだるい。
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