死ぬのは溺愛のあとにして?【加筆終了1/1】
ドン底の夜
ツイていないときは、とことこんツイていない。
そんなことを、思ったことはないだろうか。
これはただの人間の心理なのか、はたまた神様のイタズラなのか。
そのように囁かれる真意はわからないけど
もしもそれが事実であるなら⋯⋯
私は生きていることさえ投げ出したくなる―――
「あ――最悪⋯⋯」
この一言では収まらないくらい、私はドン底の真っ只中だった。
夏の夜のジメジメした風が鬱陶しくて、すれ違う人々の笑顔がやけに目障りで、この世の果てがあるのであれば、今すぐにでも飛んでいきたい。
まさに消えてしまいたい気分だった。
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