死ぬのは溺愛のあとにして?【加筆終了1/1】
それは好きな人を失った穴埋めなのか、はたまた別の感情か、わからない。
でも、今の私は、確かに、彼に愛されたいと願ってしまっている。
――⋯⋯あすみ⋯⋯あすみ⋯⋯
朦朧とした意識の中で、切なげな声で、幾度となく私の名前を呼ぶ。
本当に、あなたはいつもクールで無表情の富丘くんなの?
せり上がってくる、不思議な感情はなに?
――あんな男を忘れて⋯⋯僕を愛して。君をもう、離さない。
私の意識は、ろうそく火が消えるように、そこで途切れた。
目を閉じる直前、富丘くんが微笑んでいたような気がした。
――――――