死ぬのは溺愛のあとにして?【加筆終了1/1】
「え⋯⋯」
⋯⋯いま、なんて?
突然会議室に呼び出された私は、部長から突きつけられた現実に、目の前が真っ暗になった。
「お前が怒らせたのは、うちにとって最も失いたくないお得意様だ。⋯⋯加藤先生はお前に傷つけられたと、たいそうご立腹でね、顔も見たくないそうだ」
なに⋯⋯それ。
「だって、それは⋯⋯」
加藤先生とは、私の営業先の大病院の院長の息子であり、商談相手。
初対面から私のことを気に入ったといっていて、とても穏やかで優しい方だったんだけど、度重なるボディタッチやお誘いにうんざりしていた。
異変に気づいてくれた同僚が、何度か担当を変わろうと申し出てくれたんだけど、何故かそれも叶わなくて
信じ難い出来事があったのは、昨日のこと。
『金里さん、うちの病院にその機械、導入して欲しいんでしょ?』
商談中の応接室。
ソファに私を押し倒して、息を荒げた加藤先生は嘲笑う。