死ぬのは溺愛のあとにして?【加筆終了1/1】

コレが運命だというのなら⋯⋯

このマンションの屋上に向かったのは、私たちがこうなるためだったのだろうか。


だとしたら、神様はなんて意地悪なんだろう。

もっと他の方法があったでしょ。


ドン底が恋の⋯⋯いや、結婚のはじまり。

変な話し。


まだ私の気持ちは見えないけど。

でも、ヒロキへの恋心をいとも簡単にかっ攫っていった、富丘くん。

クールで無表情が標準装備だけど、とても真っ直ぐで、誰よりも優しい人。

こんなに素敵な人に恋をするのは⋯⋯

たぶん時間の問題だと思う。


「ねぇ⋯⋯キスしてもいい?」

「⋯⋯いいよ」

「間があった。もしかして、いや?」

「ちがうよ⋯⋯恥ずかしいだけ」
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