エリート外科医の滴る愛妻欲~旦那様は今夜も愛を注ぎたい~
その日の夜遅く、千葉さんと主任三人、私、後輩三人の計八人で会議室にこもり、緊急対策会議を開いた。

どうすれば現状を乗り越えられるか。スケジュール表を広げながら試行錯誤を繰り返す。

ここの開発期間を削ってここに当てて。ここはもっと短い時間でできるんじゃないか。ここのデータは使い回した方が効率いいよね?

そんなやり取りを繰り返しながら、限界まで工数を削ぎ落とす。

それから、仕様変更分の影響範囲を見積もって、対応が必要なプログラムはいくつか、やり直さなければならないテストケースはいくつか、短い時間で合理的にこなすにはどうしたらいいかを話し合った。

気がつけば深夜一時。会議はまだ当分終わりそうにない。

明日の朝までに今後の予定を確定して各メンバーに周知しなければ、遅れはどんどん膨らんでしまう。徹夜は免れないだろう。

透佳くんへの連絡を忘れていたことを思い出し、慌ててメッセージを打つと、すぐさま折り返しの着信が来た。

通話アイコンをタップした瞬間、透佳くんの焦った声が受話口から響いてくる。
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