エリート外科医の滴る愛妻欲~旦那様は今夜も愛を注ぎたい~
今のはなんだろう? まさか心臓の音? でもヤケに強く身体に響いたような。

こんなのは初めてで、キョトンと首を傾げる。

もしかしたら、横隔膜の痙攣ってやつ? ってことはしゃっくりの一種かも。

あるいは、胃痙攣の種類とか。……胃ってこんなに震えるのかな?

彼が運転席に座り、私のシートベルトに手を伸ばす。

「調子は大丈夫か? 眩暈は?」

眩暈は、ない。謎の痙攣があったけれど、多分、彼が心配しているようなものではないだろう。

「平気です!」

笑顔で答えると、透佳くんはわずかにホッとした顔で車のエンジンをかける。

私たちは自宅へ向けて車を走らせた。

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