エリート外科医の滴る愛妻欲~旦那様は今夜も愛を注ぎたい~
入院棟の三階にあるナースステーション。透佳くんは入口で私を待たせ、中へ入っていった。

美沙(みさ)。ちょっといいか」

透佳くんの声がけに振り返ったのは、奥で作業をしていた看護師の女性。呼ばれたことに気がついて、パタパタとかけ寄ってくる。

「なんでしょう、須皇先生」

「忙しいところ、すまない。彼女の心電計を取り外してやってほしいんだ」

その女性看護師――美沙さんが私のほうを見て、キョトンと目を丸くする。

スラッとした、綺麗な顔をした女性だった。黒髪を後ろでお団子に結んでいる。年齢は、おそらく透佳くんと同じくらいだろう。

「ええと……彼女はうちの患者ですか?」

「昨日うちの外来を受診した。俺が心電計を取り外してやる予定だったんだが、裸を見られたくないと嫌がって」

「ああ……!」

美沙さんははつらつと笑うと、ナースステーションの脇にある処置室に私を案内した。

「どうぞ。鍵、閉めますから大丈夫ですよ。上着を脱いでください」

美沙さんは、昨日の看護師さんとは打って変わって、優しい女性だった。

ニコニコとした笑顔で、まさに白衣の天使。私の身体のテープを丁寧に剥がしてくれる。
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