エリート外科医の滴る愛妻欲~旦那様は今夜も愛を注ぎたい~
もうすぐ彼が上がってくる。どうしよう、どうしたらいいの?

悩みに悩んだ挙句、そうだ、先に寝てしまえばいいんだ! という結論に辿り着く。

下手に口で言い訳するより、眠ってしまいましたとごまかしたほうが手っ取り早い。

彼だって寝ている相手にちょっかいを出そうなどとは思わないはず。

私は寝室のベッドへ潜り込み、狸寝入りをした。

健気に待っていたけれど、つい寝落ちしてしまったことをアピールするために、照明はあえて明るいままにしておく。

しばらくすると、ドアの開く音がして、静かな足音が近づいてきた。

「……彩葉? 眠ったのか?」

はい、寝ましたよ、と心の中で答えながら、ぎゅっと目をつぶる。覗き込まれている感覚がして、息を呑んだ。

しばらくすると、被っていた毛布がめくり上げられ、ひんやりとした空気とともに彼の熱い身体が滑り込んできた。

やけに温かく感じられるのは、お風呂上りだからだろう。
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