エリート外科医の滴る愛妻欲~旦那様は今夜も愛を注ぎたい~
「敗因は、部屋の照明を落とさなかったことだな。暗ければわからなかった」

「……今度からは、真っ暗にすることにします」

彼はベッドに横たわると、いつものように腕をまっすぐに伸ばして枕を作った。

私はその上に頭を乗せ、彼の胸に顔を埋める。

今日の彼の鼓動の音は、いつもより少しだけ早い気がする。さっき大笑いしたからかな? それとも……。

「あのまま抱いてしまってもよかったかもしれないな。悶えながら必死に寝た振りを続ける彩葉の姿が見たかった」

「あ、悪趣味ですよ!」

なんて意地悪なのだろう。むくれて彼に背中を向けた。

その背に追いすがるように、彼は私のお腹に腕を回す。

「悪い。いじめすぎたな。今日はこのくらいにしておこう」

どうやら気が済んだらしく。彼は私の背中で大人しくなった。

お風呂上がりの彼の体温を背中で感じながら、目をぎゅっと強く閉じる。

変に昂ってしまったせいで、今日はなかなか眠りにつくことができなそうだ。


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