エリート外科医の滴る愛妻欲~旦那様は今夜も愛を注ぎたい~
第五章 心も身体も躾けてほしい
土日は仕事を休ませてもらい、月曜日はいつも通りに出社。
電話連絡をした際に体調のことを相談させてもらったこともあり、出社早々、千葉さんは心配そうな顔で私を覗き込んできた。
「大丈夫? 心臓が悪いって……」
「すぐにどうってわけではないので、大丈夫です。ただ、医者からは無茶をすれば悪化すると言われていて」
「早風さんのペースでやっていいから。夜も早めに帰りなよ。部長はぐちぐち言うだろうけれど……気にしなくていい」
千葉さんがちょっと疲れた顔で微笑みかけてくれる。自分はもっとつらいだろうに、私を気遣ってくれる優しさに、胸が苦しくなった。
「でも、千葉さんだって大変なのに、私だけ楽をするわけには――」
言葉の続きを遮って、千葉さんはかぶりを振る。
「権蔵さんが倒れたの、多分俺のせいだから」
「え?」
額の前で手を組んで、沈痛な面持ちで伏せる彼。
「手の回らない仕事を、全部権蔵さんに引き取ってもらっていたんだ。でも、そのせいで権蔵さんに負荷がかかりすぎてあんなことに……」
千葉さんは人知れず罪悪感を抱えていたようだ。権蔵さんは自分のせいで過労になって倒れたのではないかと。
電話連絡をした際に体調のことを相談させてもらったこともあり、出社早々、千葉さんは心配そうな顔で私を覗き込んできた。
「大丈夫? 心臓が悪いって……」
「すぐにどうってわけではないので、大丈夫です。ただ、医者からは無茶をすれば悪化すると言われていて」
「早風さんのペースでやっていいから。夜も早めに帰りなよ。部長はぐちぐち言うだろうけれど……気にしなくていい」
千葉さんがちょっと疲れた顔で微笑みかけてくれる。自分はもっとつらいだろうに、私を気遣ってくれる優しさに、胸が苦しくなった。
「でも、千葉さんだって大変なのに、私だけ楽をするわけには――」
言葉の続きを遮って、千葉さんはかぶりを振る。
「権蔵さんが倒れたの、多分俺のせいだから」
「え?」
額の前で手を組んで、沈痛な面持ちで伏せる彼。
「手の回らない仕事を、全部権蔵さんに引き取ってもらっていたんだ。でも、そのせいで権蔵さんに負荷がかかりすぎてあんなことに……」
千葉さんは人知れず罪悪感を抱えていたようだ。権蔵さんは自分のせいで過労になって倒れたのではないかと。