エリート外科医の滴る愛妻欲~旦那様は今夜も愛を注ぎたい~
ボン、と顔から火が吹き出しそうなくらいに頬が赤く染まった。

動悸が舞い戻ってきたかのように、心臓がドクドクいっている。

「彩葉が婚約の意思を決めるまで待つと言ったよな。もういいだろう」

彼の手が私の頬に触れる。

熱い眼差しは見つめているだけで心に火傷を負ってしまいそうだ。

「心も身体も、俺のものにするぞ」

頬に触れていた手がゆっくりと下へ移動し、首筋を撫でる。

襟元から服の下に滑り込んでくるような仕草に、身体がじんわり熱くなってくる。

「透佳くん……」

彼の唇が、私の唇を食べにくる。激しく求めてくれているのだと、その仕草から伝わってくる。

昂る鼓動、上昇する体温。私の身体も、彼と同様に疼いている。

でも、なんとなく一線を越えることに躊躇して。

「……私、その……」

咄嗟に目線を逸らしたら、透佳くんがハッとしてその手を止めた。

「彩葉?」

「その、嫌、とかじゃないんですけど……」

慌てて言い訳すると、彼は私の前髪をかきあげ、その場所に優しく口づけを落とした。

「……怖いなら、素直にそう言えよ。初めてなんだろ」

見透かされて、ぎゅっと胸が締めつけられる。

「……ごめんなさい……」
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