エリート外科医の滴る愛妻欲~旦那様は今夜も愛を注ぎたい~
その日の夜。透佳くんが帰宅したのは日付の変わる直前だった。

急患の容体が安定しないらしい。他の医師に引き継いできたものの、電話がくればすぐに病院へ向かうとのこと。明日も出勤だ。

「悪い。土日なのに慌ただしくて」

「大丈夫です。お医者さんですから、当然ですよ」

「そう言ってくれると助かる」

透佳くんはサッとシャワーを済ませひと息つくと、私の待つベッドへ潜り込んできた。

「彩葉」

お風呂上りの温かな身体が私の上に重なる。

ふたり、初めて身体をひとつにしたあの日以来、透佳くんはすっかり躊躇いを捨てて、本能のままに私を抱くようになった。

「と、透佳くん……ダメだよ、オンコール当番なんでしょ?」

「コールが来たら、諦めてすぐに病院へ向かうよ」

そう言って、私の首筋に跡をつける。独占の証だそうだ。

そんなものをつけなくても、すでに私は独占されているというのに。

「患者を診るのも俺の仕事だけど、彩葉を満足させるのも俺の仕事だろ?」

不敵な笑みに鼓動がドクンと震え上がる。彼の指先が私を昂らせようと、身体の曲線を辿る。
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