エリート外科医の滴る愛妻欲~旦那様は今夜も愛を注ぎたい~
「可愛い声を聞かせてくれ」

「……とう、か、く……あっ……」

「もっともっと。足りないな。どうしてだろう、こんなにも毎日、彩葉をめちゃめちゃにしているのに、満たされないなんて」

彼の大きな身体が、熱く猛る筋肉が、私の全身を包み込んで快楽を与えようとする。

彼に乱されることに慣れてしまった私は、ひとつ、身体に悦を刻まれるたび、素直に啼いて吐息をこぼして。

「まだ、足りないっ――」

「っ……あぁ……!」

もうくたくたでこれ以上ないほど極まっているというのに、それでも彼はまだだと言って私の身体に熱を埋め込む。

彼の端整な顔は甘く歪んで、とびきり色っぽい。肌は汗ばんでキラキラと細かな光を放っている。

毎回限界まで煽り立てられ、とろっとろに蕩かされる。

ふたりの関係は、婚約者でありながら、恋人にぐっと近づいた気がする。

身体を重ねずにはいられない、愛おしくて、尊い人。

この情熱を、以前は別の誰かにぶつけていたの?

ふと脳裏をよぎった疑惑に、サッと青ざめて熱が冷える。

そんなこと考えちゃダメだ、言い聞かせるように、無我夢中で彼を求めた。
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