エリート外科医の滴る愛妻欲~旦那様は今夜も愛を注ぎたい~
ぐっと肩に力を込められ、今度はうまくやれとプレッシャーをかけられた。
「と、透佳くん……私、実は、沢渡先生と……」
目をそわそわと漂わせながら、必死に嘘をつこうとすると。
透佳くんは額に手を当てて悩ましげにため息をついた。
「茶番はやめろ。彩葉。俺を騙したいなら、もう少しうまくやれ」
やっぱり、私、嘘をつくのが下手みたい。
沢渡先生でさえ呆れてしまい、演技することを放棄した。私の肩から手を外し、深くため息をつく。
「……それでも、今日一日、ふたりでいたことは事実だ。なにもなかったと思います?」
眼鏡の奥の瞳を怪しげに光らせながら、透佳くんを揺さぶる。
歪んだ口元から執念めいたものを感じて、透佳くんを騙すだけのフェイクではないことを感じ取る。
沢渡先生は、本気で透佳くんを憎んでいるのかもしれない。
父親である教授が、あそこまで透佳くんを褒めちぎっておきながら、息子に対しては批判的。軋轢が生じるのも当然だろう。
――須皇先生に少し劣等感持ってるから……――
美沙さんの言葉を思い出して、わからなくはないと悲しくなる。
「と、透佳くん……私、実は、沢渡先生と……」
目をそわそわと漂わせながら、必死に嘘をつこうとすると。
透佳くんは額に手を当てて悩ましげにため息をついた。
「茶番はやめろ。彩葉。俺を騙したいなら、もう少しうまくやれ」
やっぱり、私、嘘をつくのが下手みたい。
沢渡先生でさえ呆れてしまい、演技することを放棄した。私の肩から手を外し、深くため息をつく。
「……それでも、今日一日、ふたりでいたことは事実だ。なにもなかったと思います?」
眼鏡の奥の瞳を怪しげに光らせながら、透佳くんを揺さぶる。
歪んだ口元から執念めいたものを感じて、透佳くんを騙すだけのフェイクではないことを感じ取る。
沢渡先生は、本気で透佳くんを憎んでいるのかもしれない。
父親である教授が、あそこまで透佳くんを褒めちぎっておきながら、息子に対しては批判的。軋轢が生じるのも当然だろう。
――須皇先生に少し劣等感持ってるから……――
美沙さんの言葉を思い出して、わからなくはないと悲しくなる。