エリート外科医の滴る愛妻欲~旦那様は今夜も愛を注ぎたい~
「透佳くん、お父さんが大事に育てていたお庭のひまわりを切り落としてきちゃったんだって。お父さん嘆いてたけれど、彩葉ちゃんへのお見舞いなら仕方がないねって、許してくれたんだって」

母はクスクスと笑いながら、羊羹を口に運んでいる。

私はなんだかそわそわして、胸の前できゅっと手を握った。

透佳くんは、その頃から、私にひまわりをプレゼントしてくれていたの?

似合わないって言ったのに。可愛くないって言ったのに。

あの頃の透佳くんから、私はどう見えていたんだろう。

日本茶をすすりながら、ぼんやりと考えるのだった。

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