エリート外科医の滴る愛妻欲~旦那様は今夜も愛を注ぎたい~
「お久しぶりです。わざわざ迎えに来てくれてありがとうございます」
ペコリと頭を下げてから顔を上げると、久々に見た透佳くんはなんだか仏頂面。
「ここに来る理由が俺じゃなく、加藤さんの見舞いというのが不満だがな。仕方がない、行くぞ」
そう冷たく言い放ち白衣を翻すと、一階通路を歩き始めた。
何が不満なのだろう? よくわからないまま、彼のあとについていく。
はるか先まで続く長い廊下、窓の外はちょうど桜が満開だ。ひらひらと花びらが舞っている。
「すごく大きな病院ですね。ここに到着するまでに、迷ってしまいました」
方向音痴な私。入口の案内板を見て、B棟に向かおうとしたら、辿り着いた先は真逆のC棟だった。まぁ右と左を間違えただけではあるのだが。
「俺ですら何に使っているのかわからないような扉がある。全貌を知る人間なんて、いないのかもしれないな」
日本に戻ってきたばかり、加えて心臓血管外科医の彼が足を運ぶ範囲というのは、限られているのだろう。
「少なくとも、加藤さんの病室までは案内できるさ」
そう言って彼はエレベーターに乗り込み、三階へと向かった。
ペコリと頭を下げてから顔を上げると、久々に見た透佳くんはなんだか仏頂面。
「ここに来る理由が俺じゃなく、加藤さんの見舞いというのが不満だがな。仕方がない、行くぞ」
そう冷たく言い放ち白衣を翻すと、一階通路を歩き始めた。
何が不満なのだろう? よくわからないまま、彼のあとについていく。
はるか先まで続く長い廊下、窓の外はちょうど桜が満開だ。ひらひらと花びらが舞っている。
「すごく大きな病院ですね。ここに到着するまでに、迷ってしまいました」
方向音痴な私。入口の案内板を見て、B棟に向かおうとしたら、辿り着いた先は真逆のC棟だった。まぁ右と左を間違えただけではあるのだが。
「俺ですら何に使っているのかわからないような扉がある。全貌を知る人間なんて、いないのかもしれないな」
日本に戻ってきたばかり、加えて心臓血管外科医の彼が足を運ぶ範囲というのは、限られているのだろう。
「少なくとも、加藤さんの病室までは案内できるさ」
そう言って彼はエレベーターに乗り込み、三階へと向かった。