エリート外科医の滴る愛妻欲~旦那様は今夜も愛を注ぎたい~
「だが、俺だけじゃない。早風も考えないとな」
「え?」
突然話題を振られ、キョトンと首を傾げる。
すると、権蔵さんは窓の外に目をやった。
ちょうど桜の木の頭が見えて、視界いっぱいに広がる美しい薄紅色。この病室は、お花見の特等席だ。
「この部屋はな、須皇先生のご厚意なんだ。早風が世話になったお礼にと、景色のいい部屋を手配してくれた」
「え……?」
「聞いたぞ。お前、先生と結婚するんだってな」
権蔵さんがニヤリと笑う。思わず頬を赤く染めてうろたえた。
透佳くんたら、まだ正式に結婚が決まったわけじゃないのに、権蔵さんに話しちゃったの!?
「えと……まだ、もしかしたら婚約するかもってだけで」
「つまり、彼氏ってことだろう。あんな立派な先生とお付き合いしているなんて、驚いたよ。仕事ばっかりしているから、てっきり彼氏のひとつもいないのかと思っていた」
ははは、と権蔵さんは笑う。彼の言う通りで、久しく彼氏なんていなかったわけだけど。
「え?」
突然話題を振られ、キョトンと首を傾げる。
すると、権蔵さんは窓の外に目をやった。
ちょうど桜の木の頭が見えて、視界いっぱいに広がる美しい薄紅色。この病室は、お花見の特等席だ。
「この部屋はな、須皇先生のご厚意なんだ。早風が世話になったお礼にと、景色のいい部屋を手配してくれた」
「え……?」
「聞いたぞ。お前、先生と結婚するんだってな」
権蔵さんがニヤリと笑う。思わず頬を赤く染めてうろたえた。
透佳くんたら、まだ正式に結婚が決まったわけじゃないのに、権蔵さんに話しちゃったの!?
「えと……まだ、もしかしたら婚約するかもってだけで」
「つまり、彼氏ってことだろう。あんな立派な先生とお付き合いしているなんて、驚いたよ。仕事ばっかりしているから、てっきり彼氏のひとつもいないのかと思っていた」
ははは、と権蔵さんは笑う。彼の言う通りで、久しく彼氏なんていなかったわけだけど。