エリート外科医の滴る愛妻欲~旦那様は今夜も愛を注ぎたい~
「それにしても、ずいぶんと長い間、海外に行っていたね」

父の言葉に、母も「すごいわぁ」と賛同する。

彼は高校を卒業してすぐアメリカへ留学した。

弟も後を追うように日本を発ち、ふたり遠く離れた地で頑張っていると母から伝え聞いた。

「アメリカの大学を卒業したあと、現地でメディカルスクールに通いました。その後、医学研修に加え、心臓血管外科専門の医療機関で臨床を。認定制度を使い日本の医師免許を取得し、現在は父の病院に。一人前と名乗る頃には、もうこんな歳で」

「いやいや、素晴らしいよ。特にアメリカで医者になるのは大変なんだろう? 君は早いほうだ」

父は手を叩いて喜んでいる。なにしろ、アメリカでは医師になるまで、大学、メディカルスクール、インターンなど合わせて十年近くかかるそうだ。

医者として独立できるのは、三十代中盤が一般的。

そう考えると、三十二歳という若さでアメリカと日本の医師免許を両方取得し、現在は日本の医師として働いている彼はエリート中のエリートと言える。
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