エリート外科医の滴る愛妻欲~旦那様は今夜も愛を注ぎたい~
しかし、これまで短時間睡眠を繰り返してきたせいか、四時間程度で目が覚めてしまった。

もう一度寝ようと目を閉じても、なかなか眠りにつくことができない。疲れているのは確かなのだけれど。

いつもなら、ぐっすり眠れるはずなのに……。

もしかして、これって不眠症? そういえば、妙に神経が昂ってトゲトゲしている気がする。

朝の九時ごろまで眠ったり起きたりを繰り返してぐずぐずした後、諦めてベッドから起き上がり、リビングに向かった。

日曜の朝。すでに父は起きていて、ローテーブルの前であぐらをかいて新聞を読んでいた。母は洗い物と洗濯で大忙しの時間帯。

「おはよう。もう起きたのか? 疲れているんだろう、寝ていればいいのに」

父は心配そうに広げた新聞から顔を出す。

私のこの異常なまでの忙しさを、家族は理解して支えてくれている。

私が朝早く家を出て、寝静まった後に帰ってくる姿を、本当はさぞ心配しながら見守っていることだろう。

本当は、そんな仕事辞めなさいくらい言いたいのかもしれない。けれど、私の自主性を尊重してくれている。

入社一年目のとき、『本当につらくなったら、ちゃんと言いなさい』とだけ助言された。
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