エリート外科医の滴る愛妻欲~旦那様は今夜も愛を注ぎたい~
母が「試すと思って行ってらっしゃいよ」と口添えする。

こんなに勧めるのは、早く結婚して安心させてほしいと思っているのだろうか。

それとも、私の体を心配して? これまで、会社を辞めろということはなかったけれど、やきもきしながら見守っていたことは間違いない。

「細かい荷物は、それこそ仕事が落ち着いてからでいい。とりあえず、少し外泊する程度の感覚でいいんじゃないか?」

この不毛な言い争いに終止符を打つべく、透佳くんは究極奥義の紳士スマイルを切り出す。

両親は快く頷き、もはや私も「はい」と答えるほかなかった。
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