【女の事件】とし子の悲劇・3~翼をなくした白鳥
第16話
8月10日の朝9時過ぎのことであった。
アタシは、豊平区水車町1丁目で今も暮らしているアイツの家まで行って、家に残っているアタシの着替えとメイク道具を全部取り出すことにした。
アタシは、アイツが家から出てきた頃を見計らって、家の中に入ることにした。
酒浸りで無気力になったアイツは、毎日決まって朝9時過ぎに家を出た後、豊平川の河川敷の公園まで行く。
公園に行く前に、近所の酒屋さんに行って一升瓶入りの酒を買いに行く。
アイツはそれから数時間は家に帰ってこないので、家が空いている2時間以内にアイツの家に入って、残っているアタシの着替えとメイク道具を全部取り出して、紙袋に全部詰めた。
それから2時間後のことであった。
アタシは、財布とスマホと貴重品が入っている赤茶色のバッグと着替えとメイク道具がぎっしりと詰まっている紙袋を持って、アイツの家から逃げ出して、南七条大橋を越えて市街地へ逃げた。
アタシは、それ以降豊平区水車町1丁目に行かなくなったので、アイツとはそれきりになった。
夕方4時過ぎに、アタシは南9条にある中之島公園へやって来た。
赤茶色のバッグと紙袋を持っているアタシは、ベンチに座って大きくため息をついた。
そして、赤茶色のバッグの中からスマホを取り出して、ラインのメッセージを調べていた。
この時、敦賀で暮らしている友人からメッセージが来たので、開いて読んでみた。
メッセージは『北海道での暮らしには慣れたかな?』とか『北海道に旅行をした折りには、とし子が暮らしている部屋に遊びに行くから…』とか『アタシも北海道で暮らしてみたいなぁ~』とか書かれていた。
今のアタシは、札幌へ来てから心身ともにヒヘイしていたので、とてもとは言えないがあまりいいメッセージを書くことができなかった。
アタシは、敦賀で暮らしている友人にアタシの今のキュウジョウを書いて、メッセージを返信した。
あのね…
アタシね…
札幌暮らしに…
疲れたわ…
9度目のダンナと離婚したことと…
9度目のダンナの連れ子にレイプされたことや…
他にも…
口では言えないけど…
生きているのがつらい…
アタシは、敦賀で暮らしている友人にメッセージを返信した。
しばらくして、敦賀で暮らしている友人からアタシのスマホのラインのメッセージが届いた。
とし子…
ねえとし子ってば…
どうしたのよ…
元気を出しなよ…
とし子がつらい気持ちはよく分かるけど…
気持ちをもっと強くしなよ…
アタシが北海道へ旅行する時には…
とし子の部屋に必ず行くから…
その時に、とし子の悩みを聞いてあげるから…
それまで元気な顔で暮らすのよ…
とし子…
聞いているの…
ねえ、とし子ってば…
アタシは、敦賀で暮らしている友人からのメッセージを返信しようと思ったが、めんどいのでそのままラインを閉じた。
アタシは、夕方6時半にマンスリーアパートに帰ってきた。
アタシは、テーブルの上に赤茶色のバッグを置いた後、ボブソンのジーンズとレモン色の半そでのTシャツを脱いで、モカブラウンのブラジャー・ショーツ姿になって、ざぶとんの上に座って、大きくため息をついた。
アタシは、敦賀で暮らしている友人から送られてきたラインのメッセージを読んだ後、気持ちがわだかまっていたけん、うつになった。
敦賀で暮らしている友人は、アタシに対して『北海道に旅行をした折りにはとし子が暮らしている部屋に遊びに行くから…その時にあんたの悩みをたくさん聞いてあげるから…それまで元気な顔をして暮らして行きなさいよ…』とカキコをしていた。
今のアタシは、元気な顔をして暮らして行くゆとりなんかない。
アタシは、8月いっぱいでバイトをやめることにした。
その後は、鉄道を乗り継いで本州へ引き返すことしか頭になかった。
アタシは…
この先…
どこへ行けばいいのか…
どこへ行けば…
幸せに暮らせるのか…
ねえ…
教えてよ…
ねえ…
アタシは…
どこへ行けば…
幸せになれるのよ…
アタシは、豊平区水車町1丁目で今も暮らしているアイツの家まで行って、家に残っているアタシの着替えとメイク道具を全部取り出すことにした。
アタシは、アイツが家から出てきた頃を見計らって、家の中に入ることにした。
酒浸りで無気力になったアイツは、毎日決まって朝9時過ぎに家を出た後、豊平川の河川敷の公園まで行く。
公園に行く前に、近所の酒屋さんに行って一升瓶入りの酒を買いに行く。
アイツはそれから数時間は家に帰ってこないので、家が空いている2時間以内にアイツの家に入って、残っているアタシの着替えとメイク道具を全部取り出して、紙袋に全部詰めた。
それから2時間後のことであった。
アタシは、財布とスマホと貴重品が入っている赤茶色のバッグと着替えとメイク道具がぎっしりと詰まっている紙袋を持って、アイツの家から逃げ出して、南七条大橋を越えて市街地へ逃げた。
アタシは、それ以降豊平区水車町1丁目に行かなくなったので、アイツとはそれきりになった。
夕方4時過ぎに、アタシは南9条にある中之島公園へやって来た。
赤茶色のバッグと紙袋を持っているアタシは、ベンチに座って大きくため息をついた。
そして、赤茶色のバッグの中からスマホを取り出して、ラインのメッセージを調べていた。
この時、敦賀で暮らしている友人からメッセージが来たので、開いて読んでみた。
メッセージは『北海道での暮らしには慣れたかな?』とか『北海道に旅行をした折りには、とし子が暮らしている部屋に遊びに行くから…』とか『アタシも北海道で暮らしてみたいなぁ~』とか書かれていた。
今のアタシは、札幌へ来てから心身ともにヒヘイしていたので、とてもとは言えないがあまりいいメッセージを書くことができなかった。
アタシは、敦賀で暮らしている友人にアタシの今のキュウジョウを書いて、メッセージを返信した。
あのね…
アタシね…
札幌暮らしに…
疲れたわ…
9度目のダンナと離婚したことと…
9度目のダンナの連れ子にレイプされたことや…
他にも…
口では言えないけど…
生きているのがつらい…
アタシは、敦賀で暮らしている友人にメッセージを返信した。
しばらくして、敦賀で暮らしている友人からアタシのスマホのラインのメッセージが届いた。
とし子…
ねえとし子ってば…
どうしたのよ…
元気を出しなよ…
とし子がつらい気持ちはよく分かるけど…
気持ちをもっと強くしなよ…
アタシが北海道へ旅行する時には…
とし子の部屋に必ず行くから…
その時に、とし子の悩みを聞いてあげるから…
それまで元気な顔で暮らすのよ…
とし子…
聞いているの…
ねえ、とし子ってば…
アタシは、敦賀で暮らしている友人からのメッセージを返信しようと思ったが、めんどいのでそのままラインを閉じた。
アタシは、夕方6時半にマンスリーアパートに帰ってきた。
アタシは、テーブルの上に赤茶色のバッグを置いた後、ボブソンのジーンズとレモン色の半そでのTシャツを脱いで、モカブラウンのブラジャー・ショーツ姿になって、ざぶとんの上に座って、大きくため息をついた。
アタシは、敦賀で暮らしている友人から送られてきたラインのメッセージを読んだ後、気持ちがわだかまっていたけん、うつになった。
敦賀で暮らしている友人は、アタシに対して『北海道に旅行をした折りにはとし子が暮らしている部屋に遊びに行くから…その時にあんたの悩みをたくさん聞いてあげるから…それまで元気な顔をして暮らして行きなさいよ…』とカキコをしていた。
今のアタシは、元気な顔をして暮らして行くゆとりなんかない。
アタシは、8月いっぱいでバイトをやめることにした。
その後は、鉄道を乗り継いで本州へ引き返すことしか頭になかった。
アタシは…
この先…
どこへ行けばいいのか…
どこへ行けば…
幸せに暮らせるのか…
ねえ…
教えてよ…
ねえ…
アタシは…
どこへ行けば…
幸せになれるのよ…