【女の事件】とし子の悲劇・3~翼をなくした白鳥
最終回
8月25日の夕方6時前のことであった。

恐ろしい雷鳴がとどろいた後、激しい雨がドザーと降りだした。

ファミマのバイトを終えたアタシは、裏口から出てマンスリーマンションに帰るところであった。

レモン色のTシャツとボブソンのジーンズ姿で赤茶色のバッグを持っているアタシは、JRあいの里教育大駅まで歩いた。

その時に、降り悪くアイツと会った。

この時、アタシの身の危険がすぐそこまで迫っていた。

アイツは、やせこけて弱々しい声でアタシに助けを求めた。

「とし子…」
「何なのよあんたは…どうしてアタシのもとに来たのよ!?あんたとアタシの夫婦関係は…とっくに破綻したのよ!!」
「なあ…助けてくれよ…とし子…」

アイツは、アタシに助けを求めるためにせまった。

イヤ…

やめて…

あんたとアタシの夫婦関係は…

破綻したのよ…

やめて…

アイツは、なおもアタシに迫っていた。

アタシは、壁に追い詰められた。

「とし子…逃げないでくれ…この通りだ…」
「イヤ!!やめて!!やめて!!」

アイツの両手が、アタシの方へ伸びた。

アタシは犯されそうになった。

助けて…

お願い…

アタシが悲鳴をあげようとしていた時であった。

アイツを探し回っていた5~6人のチンピラたちが現れた。

「アニキィ!!」
「あきひろか!!」
「よし分かった!!オドレあきひろ!!」

(ズドーン!!ズドーン!!ズドーン!!)

やくざの男は、トカレフでアイツを撃った後にその場から立ち去った。

アイツは、やくざのトカレフで撃たれて倒れたが、なおもアタシに助けを求めた。

「とし子…苦しいよ…助けてくれ…痛いよ…痛いよ…とし子…」

アイツは、アタシの前で死んだ。

この時、雨はさらに激しさを増して降っていた。

アタシの髪の毛と衣服がずぶ濡れになって、レモン色のTシャツからユニクロブラの形が外から見えていた。

アタシは、真っ赤な目でアイツをにらみつけながらワナワナと震えていた。

何なのよ…

あんたは何なのよ…

アタシにきついイカクを加えておいて…

急に困った時に…

アタシに求めてくるなんてサイテーだわ…

アタシは…

あんたのことを許すことができない…

アタシの真っ赤になっている目から、血液まじりの涙がたくさんあふれていた。
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