君は私の光
呆然と立ち尽くしていた私は声がする方を見た。
「侑子」
私のことを呼んだのは侑子だった。
侑子は高校のときからの友達。
そして大学も同じ。
「……何ぼーっと立ってるの?」
侑子は不思議そうに私のことを見た。
「……あ……えっと……なんでもない」
私はそう言って笑顔でごまかした。
ただその笑顔は少しぎこちなかった。
「そうなの?」
「……うん」
私はなんとか強引にごまかしきった……と思う。
「あっ、ねえねえ梓、この後時間ある?」
「うん、あるよ」
「今からカフェに行かない?」
「うん、いいね、行こ」
とりあえずさっきのあっという間の出来事はなかったことにしよう……。
私はそう思いながら侑子とカフェへ向かった。